パラブラ映画部

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作品No.051D

免田栄 獄中の生

1時間28分/1993

死刑確定者で日本で初めて再審無罪を勝ち取った免田栄さんが自らの獄中での体験を語る。


内容紹介

千通の手紙

死刑台からの生還者’と言われた免田栄さんは、死刑囚で再審無罪となった最初の人である。23歳で逮捕され、57歳で無罪を勝ち取るまで、実に34年6ヵ月を獄中で生きたことになる。しかも、死刑囚として、いつ”その日”がやってくるかもしれぬ日々を生きた。この映画は、免田さんが、獄中からひとりのある宗教者に宛てて送り続けた千通の手紙を手がかりに、免田さん自身へのインタビューで構成した記録映画である。

死刑囚の孤独と恐怖

映画は、免田さん自身が獄中で書いた手紙を、カメラの前で初めて読み返すという、手紙との再会から始まる。古い官製はがきを、あるいは色の変わった便箋を手に、当時の状況、心情を思い返しながら免田さんは肉親への想い、死刑囚の友人との出会いや別れ、看守たちとの交流をポツリポツリと語る。さらに、獄中生活で体験した孤独と、拘禁の恐怖にも話は及んでいく。
「34年半の獄窓生活の中で、わたしが手をにぎって死刑台に見送った人びとは70人くらいだと思う。昨日も今日もというときもあったし、一日に二人ということもあった。死刑台に多くの人を見送っての結論は、やはり死刑はあってはならぬ、いうことである。国家による殺人は、あまりにも残酷だ」(免田栄/獄中記)
彼が見送った死刑囚にも、冤罪を訴えた人が少なからずいた。お金が続かず再審を諦めたり、再審が棄却されたあとに処刑されていった。


商品情報

■1993年度(第48回)毎日映画コンク-ル記録文化映画賞/日本映画ペンクラブ・ノンシアトリカル部門第1位/優秀映画鑑賞会推薦

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