作品No.045D
ひらくまち
1時間15分/1992
4年をかけて追った、住民を主役にした地域改善事業、北九州市小倉南区北方3丁目のまちづくり物語。
内容紹介
「まちづくり」モデルを描く
舞台は北九州市小倉南区北方3丁目。1982年に発足した同和対策審議会の答申で「いちじるしく環境整備が遅れている地域」と指摘された同和地区である。北九州市はこの北方の環境改善事業を市の新しい「まちづくり」のモデルとしてスタートさせた。
「北方もやい」精神
この計画の根っこにあったもの、それは、「もやい」の心だった。「もやい」とは、もともと「船と船とをつなぎあわせること」をいう。2人以上の人がいっしょに仕事をしていく、つまり連帯、共同といった意味のこめられた言葉でもあるのだ。北方の人たちが厳しい環境下、共に生きていくことの大切さをはぐくんできた暮らしの中から「北方もやい」の言葉すら生まれている。こうした精神のもと、行政、専門家は住民の声に耳を傾け、住民参加の「まちづくり」は行なわれていった。
丁寧な記録映画
映画は、まず、解体されていくものの中に価値を見出そうとし、それらを丁寧に記録していく。監督自身が「北方3丁目のまちづくりでいつも念頭をはなれなかったのは、解体されていくものへの記録と哀悼であり、これら経験の結晶体をどう継承していくかということでした」と語っている。
これからのまちづくりに求められているのは、作り手と住民の連帯だ。この映画が4年をかけて追った、まちづくりの模索と努力の過程に学ぶところは大きい。全国の関係者にすすめたい映画である。”
商品情報
■総務庁長官賞特別賞