パラブラ映画部

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作品No.039D

世なおし準公選

57分/1989

戦後8年間住民自ら教育委員を選ぶ公選制制度があった。それから25年教育は国家によって管理されてきた。今東京都中野区では・・・。


内容紹介

行政の窓をあける

教育委員を住民投票で選ぶ「準公選」。準公選を全国で初めて導入して8年、東京都中野区の教育委員会は大きく変わった。月に1~2回しか開かれなかった委員会が、毎週金曜日に開かれ、誰もが自由に傍聴し発言できるようになったのである。この映画は、中野区の準公選の取組みの歩みを中心に、閉ざされた教育行政に窓をあける各地の試みを描く。

「へたなことも言えない」

中野区の準公選は、教育を何とか自分たちの手に取り戻さなければというPTA活動に関わる母親たちの活動に端を発する。1981年2月の第1回区民投票で選ばれた教育委員の一人は語る。「一般の市民も加わって直接に傍聴されますとね、へたなことも言えない」
中野区教育委員会庶務課長との話しあいで、また、昼間傍聴できない人たちのために春と秋に行われる夜の教育委員会で、住民たちは率直に意見を述べる。それは息がつまるほど真剣で熱い。
各地の試みでは、東京都調布市、大阪府高槻市、そして沖縄県の例が紹介される。なかでも敗戦後8年で公選制が廃された本土とちがって、アメリカによる統治時代に公選制が実施されていた沖縄県の公選制復活の動きが大きく紹介されている。

自由な風を吹き込む

そして、中野区を訪れたニュージーランドの教育交流団の体験紹介は、この映画に厚みを加えた。なぜ子供のお弁当を親が作るのか首をかしげる交流団長。制服は軍隊みたい、どの学校も同じでつまんないという子供たちの声~ニュージーランドの人から見れば、中野区の教育改革もまだまだこれからといった観が湧く。教育行政に窓を大きくあけ、自由な風を吹きこませる努力は今日もつづく。


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