パラブラ映画部

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作品No.037D

商(あきない)のまち

20分/1988

川越市一番街、蔵作りの古い町並みを残しながら、商のまちとしての新しい町づくりの試みがはじまった。


内容紹介

小江戸の一番街

この映画は埼玉県川越市の中心・川越一番街の新しい街づくりを、幾人かのインタビューで伝える映画である。
川越は江戸時代、小江戸と呼ばれていた。蔵造りの商家が建ち並び、全国の米相場を支配するほど栄えていた。その中心を支えてきたのが一番街の商人だ。

商人の生活

現在も川越は一番街の商人でもっている。その代表株は宮岡正一郎さん(61歳)。 「まちかん」こと町勘刃物店10代目当主である。映画は「まちかん」の日常を中心に、川越の生活が商いの中に息づいていることを見せる。店先で大根を切ってみて思わず声をあげる客の姿。重みだけで切れる包丁。息子の明さん(35歳)の丁寧な応対。「まちかん」の刃物に魅せられて脱サラした人もいる。山崎英雄さん(39歳)だ。「お客さんとして見てくれたというより、あたたかく迎えてくれた、鉄にくわしい人」というのが正一郎さんの第一印象だという。山崎さんのつくったアウトドア・ナイフを正一郎さんはじっくり眺めた後、「いいですね」と言いながら商札に毛筆で「山崎英雄作品」と書いた。

受け継がれる匠の自負

川越が商いの伝統の火を絶やさなかった背景には鎌の生産を担った村がある。東日本一の鎌の生産地でもある越後の古間村である。鎌の提供先を記した祖父の手紙を見せる木田辨治商店店主。現在、鎌づくりを60人が支えている。
正一郎さんは語る。「川越は外から見ると生きているのかといわれるぐらい静か。でも、ほんとうは世界の商業べ一スも追いつかん」。匠の自負は若い世代にも確実に受け継がれていくだろう。”


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