パラブラ映画部

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作品No.031D

ウリナラ ソウル-パリ-東京

40分/1986

パリに住む韓国人画家夫妻、李・朴さんの来日を機に作られた作品。国を追われた芸術家の「わが祖国」朝鮮への想いとは。


内容紹介

30年の亡命生活

ウリナラ・祖国の統一。この映画はパリに住む韓国人画家夫妻、李應魯・朴仁景 さんの来日を機に作られた。李さん夫妻が30年にわたる亡命生活をしいられたのは、1967年の「東ベルリン事件」が原因である。「北のスパイ」の疑いでヨーロッパに住んでいた韓国人の学者、留学生ら70数名が、KCIAによって韓国に拉致され、その中に李さん夫妻もいた。

朴さんの最新作“道”シリーズ

救援活動が効を奏し釈放されるまで、李さん夫妻は2年半獄中で過ごす。逮捕された時、李さんは64歳だったが、獄中の孤独を次々と作品に昇華させていく。映画ではそれらの作品や最新作“民衆”シリーズが紹介される。また、朴さんの獄中での作品や最新作“道”シリーズも紹介される。
“道”シリーズには、民主化の闘いで逮捕された人びとの名が山の輪郭を形づくっている。「書きながらも心痛いし、書こうと思っただけでも心痛い」と朴さんは語る。李さん夫妻の今回の来日は、獄中時代の作品と最新作の展覧会をソウルに近い東京で開こうと企画された。在日韓国人、朝鮮人との交流の宴で「私たちの魂は、その時代の民衆の精神です」と生き生きと語る李さん。アリランを静かに歌う朴さんははにかんでいる。

心だけでも力になりたい

ソウルではなくパリに戻った李さん夫妻は、さいごに日本語で語る。「韓国でもヨーロッパでも良心的な人びとが増えているようで非常に力強いし、さびしくならないようになった…何か一つでも国内の青年たちの力になってやりたい…心だけでも」
李さんの描く民衆の数は百人以上にふくれあがり、朴さんの書く名前も画面をどんどん埋めていく。ウリナラヘの道を歩む筆の運びは確かだ。”


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