パラブラ映画部

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作品No.121D

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沖縄 うりずんの雨

/2015

「老人と海」で与那国島の荒々しくも美しい自然と風土を捉え、「映画日本国憲法」で日本の平和憲法の意義を訴えた、アメリカ人映画監督 ジャン・ユンカーマンが、真の平和を求め、不屈の戦いを続けている沖縄の人々の尊厳を描いた渾身のドキュメンタリー。


内容紹介

イントロダクション

私たちは沖縄のことを、どれくらい知っているのだろう?

1945年4月1日、アメリカ軍が沖縄本島に上陸、12週間に及ぶ沖縄地上戦では4人に一人の住民が亡くなりました。本作では、当時同じ戦場で向き合った元米兵、元日本兵、そして沖縄住民に取材を重ね、米国立公文書館所蔵の米軍による記録映像を交えて、沖縄戦の実情に迫ります。
また、戦後のアメリカ占領期から今日に至るまで、米軍基地をめぐる負担を日米双方から押し付けられてきた、沖縄の差別と抑圧の歴史を描き、現在の辺野古への基地移設問題に繋がる、沖縄の人たちの深い失望と怒りの根っこを浮かび上がらせます。
「老人と海」で与那国島の荒々しくも美しい自然と風土を捉え、「映画日本国憲法」で日本の平和憲法の意義を訴えた、アメリカ人映画監督 ジャン・ユンカーマンが、真の平和を求め、不屈の戦いを続けている沖縄の人々の尊厳を描いた渾身のドキュメンタリー。

タイトル「沖縄 うりずんの雨」について

うりずんの  雨は血の雨  涙雨  礎の魂  呼び起こす雨

「うりずん」は、潤い初め(うるおいぞめ)が語源とされ、冬が終わって大地が潤い、草木が芽吹く3月頃から、沖縄が梅雨に入る5月くらいまでの時期を指す言葉。
4月1日から始まった沖縄地上戦がうりずんの季節に重なり、戦後70年たった現在も、この時期になると当時の記憶が甦り、体調を崩す人たちがいることから、沖縄を語る視点のひとつとして、本作のタイトルを『沖縄 うりずんの雨』とした。

監督の言葉

想像もつかないほどの戦争体験をした沖縄の人々は、一貫して戦争を拒絶してきました。米軍も沖縄戦では同じ血を流しました。しかし米軍は沖縄を「戦利品」として扱い、膨大な基地を建設。それらを拠点として、朝鮮、ベトナム、中東で戦争を続けてきました。平和を求める沖縄の文化と、戦争を選ぶアメリカの文化――。対極にある二つの文化が、狭い島に共存せざるを得なくなったのです。
米軍基地を撤廃するための戦いは今後も長く続くでしょう。沖縄の人々はけっしてあきらめないでしょう。しかし、沖縄を「戦利品」としての運命から解放する責任を負っているのは、沖縄の人々ではありません。アメリカの市民、そして日本の市民です。その責任をどう負っていくのか、問われているのは私たちなのです。
ジャン・ユンカーマン


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