パラブラ映画部

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作品No.038D

よみがえれカレーズ

1時間56分/1989

内戦さなかのアフガニスタン。戦火に打ちひしがれることなく、明日に平和を託し営々と生きる人々の生活と内戦の行方を探る。


内容紹介

アフガニスタンの難民

シルクロードの十字路・アフガニスタン。1979年の政府のソ連軍派兵以降、激化した内戦のため、人びとは戦火を避けて国外に逃れ難民となった。その数は人口の3分の1ともいわれている。1987年、政府の一方的「国民和解」宣言により内戦の終息がはかられた。

人々の心の傷

この映画には1988年5月15日のソ連軍撤退開始以降12月までのアフガニスタン全域の取材から、アフガニスタン人の心が描かれている。
戦争は人びとの心に深い傷跡をのこした。首都カブールのバザール近くでの、たった一発のロケット弾がひきおこした殺傷の現場がフィルムに収められている。「イスラム教徒同士がなぜ殺しあうんだ」とインタビューに激して答える老人の声がその場にはりつく。10年に及ぶ内戦で無残に破壊された古代の遺跡や泣きながら息子の墓に歌いかける女たちの姿は痛々しい。
反政府ゲリラのリーダーが政府軍司令官に秘かに会って告げる「もうこれ以上戦う必要がない。この10年の戦争は何もいい結果をもたらさなかった」と。司令官は答える。「協力しましょう」

カレーズが枯れない限り

戦火の中でも人びとのくらしは営まれている。モスクの修復に精魂込める職人たち。バザールでは子供たちが働き手として欠かせない。民兵に見張られながらも畑仕事をする農民。そして、カレーズ(地下水路)を清掃する人びと。
カレーズは何百年もの間、大地を潤し、人びとに恵みをもたらしてきた。春秋の分水路の調整には千人をこえる人びとが働く。カレーズの水脈が枯れない限り、この地の営みはつづくだろう。


商品情報

■1989年度(第1回)山形国際ドキュメンタリー映画祭出品/第3回東京国際映画祭・女性映画週間出品

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